旅行記ダイジェスト・・・・ミルフォードトラックとマウントクック その1
2011.08.19.08:57
西遊旅行で行く秘境旅行も、10回目。
今回は、ニュージーランドのミルフォードトラックとマウントクックです。
ミルフォードトラックは、ニュージーランド南島の南西部に位置しています。
ニュージーランドの南島は、真ん中に南北に走る山脈があり、その東側と西側で、全く気候が違います。
東側は、乾燥した草地が広がり、羊の放牧が盛んな、おなじみの風景。
一方、ミルフォードトラックがある西側は、一年を通して雨が多い森林地帯です。
特にシダ類が豊かで、しっとり落ち着いたたたずまいです。
このあたりは、森林のきれいな場所が多いので、たくさんのトレッキングルートがあります。
ミルフォードトラックも、そのひとつ。
「世界で最も美しい散歩道」と呼ばれています。
トレッキングルートなので、散歩道というと、かなり語弊があるんですが・・・・
もう一つのマウントクックは、南島のほぼ中央部分にあります。
正確には、ニュージーランド最高峰、標高3754mのマウントクックを眺めながら、フッカー谷を歩くトレッキングコースです。
こちらは、草原の近くですが、山麓には森林もあるという、ミルフォードトラックとは全く違った景色が楽しめます。
日本からは、シンガポール乗換で、ニュージーランド南島のクライストチャーチに入ります。
直行便もありますが、ゆきうさぎが行った11月はハイシーズン、たぶん高くて予約も取りにくいと思います。
クライストチャーチといえば、大きな地震がありましたよね。
ゆきうさぎが行ったときは、地震の前で、とってもきれいな町でした。
クライストチャーチについては、次回、ご紹介しようと思います。
クライストチャーチで飛行機を乗り換え、南西に飛び、クイーンズタウンという町に着きました。
クイーンズタウンは、湖畔のとってもきれいな街で、女王様が住まわれるのにふさわしいからという理由で、この名前がついたそうです。
いかにも英連邦らしい発想ですね。
季節は、春。
桜が咲いています。
ミルフォードトラックでは、ホテルでガイドウォークとガイドなしウォークの、2種類のトレッキング方法があります。
ガイドウォークは、ガイド4名が付き添い、案内や世話をしてくれます。
トレッキング中は、設備の整ったロッジに泊まることができ、食事も出してもらえます。
1日あたり48名(・・・・だったと思います)の人数制限があります。
ガイドなしウォークは、泊まるだけの山小屋を使い、寝袋や食料は自分で持参します。
コースは、53kmくらいあるので、普通の人は一日では歩けません。
ガイドなしの場合、自分で距離や歩くスピードを調整して、日の出ている間に山小屋に到着する必要があります。
縦走トレッキングに慣れている人向けです。
もちろん、こちらも人数制限ありです。
ミルフォードトラックは、船で渡らないと、入ることができません。
そのうえ、入山者数を制限して、自然を守っているのです。
山小屋とトイレも整備されていて、その辺で・・・・は禁止です。
ゆきうさぎたちは、もちろん、ガイドウォーク。
説明会では、地図をもらい、ロッジで使うシーツなどを貸してもらいました。
ガイドの人も紹介されました。
なんと、その中に日本人女性が!
まさこさんといい、ワーキングホリディで来られているそうです。
説明会の後、町で虫よけや靴擦れ防止のウールのわたなどを買いました。
物価は高いですが、機能的なものが揃っています。
クイーンズタウンで一泊して、翌朝、いよいよトレッキングに出発です。
まずは、テ・アナウの町までバスで行き、船でテ・アナウ湖を対岸に渡ります。
ここの景色から、もう、とってもきれい・・・・
船の上から、写真を撮ろうと、甲板に上がりました。
船は、水を切って進んでいきます・・・・細かい水しぶきが、2、3滴、カメラにかかりました・・・・
あっ!!!!!カメラが動かなくなってしまいました!!!!!
フィルムカメラのときは、ここまで水に弱くなかったのに・・・・
もう、まっさおです・・・・
「ロッジには、乾燥室があるから、そこに入れましょう」
「掃除機を借りて吸ったら、直ったっていう人もいますよ」
添乗員の真由美さんや、まさこさんたちが、なぐさめてくれました。
だんだん山が近くなって、写真が撮りにくくなり、みんな船の中に入りました。
ミルフォードトラックは、サンドフライというブユの一種がたくさんいます。
刺されたらものすごくかゆいので、みんな、前日に買っておいた虫よけをぬりぬり・・・・
・・・・「ここでぬっちゃ、ダメなんだって!」旅客の一人が声を上げました。
確かに、英語で「虫よけ使用禁止」という張り紙が貼ってありました…・
「日本語で書いてくれないと、わかんないじゃない」
全く、これだから日本人は・・・・とみんなで大笑いしました。
船が対岸に着くと、20分ほど歩いて、最初に宿泊するグレイドハウスというロッジに到着。
ここでは、ミルフォードトラックの風景のスライドを見せてもらいました。
その後、みんな、英語で自己紹介・・・・
英語ができない日本人は・・・・名前だけ言って、あとは万国共通の笑顔で通じます。
ロッジの部屋は、二段ベッドが置いてあり、6人から8人くらい泊まります。
夕食と朝食は、ロッジの従業員が作ってくれます。
翌朝、朝食の後、昼食用のサンドイッチを、自分で作ります。
パン、バター、からし、野菜、ハムなどが置いてあり、自分で好きなものを好きなだけ・・・・
大きなクッキーや飴など、おやつも好きなだけもらっていいんです。
これは、どのロッジでも共通でした。
動かなくなったカメラはどうしたのって?
ご心配をおかけしました。
グレイドハウスで掃除機を借りた後、乾燥室に2時間ほど入れておいたら、また動くようになりました!
よかったよかった・・・・
この日は、あまりアップダウンのない道を6時間くらい歩きます。
距離は、約16km。
ゆきうさぎは、山道に慣れていないうえ、写真を撮りながら歩くので、ゆっくりです。
では、すばらしい景色を、ご堪能ください・・・・
天気は曇りでしたが、水の色はとってもきれいでしたよ。
オレンジ色をしているのは、コケの一種ですよ。
ふかふかのじゅうたんのような、コケです。
ぜんまいの仲間がかわいい・・・・
谷地坊主・・・・
バックは、滝です。
キノコ類も、豊富です。
サルノコシカケを、見つけました。
この日は、わりあい余裕で、ポンポローナ・ロッジに到着。
このロッジでは、部屋の外からかんぬきをかけるようになっています。
実は、オウムの仲間のキーアという鳥が、部屋に入り込み、荷物をひっくり返して盗んでいくんだとか。
どのロッジにも、洗濯室と乾燥室があります。
自家発電なので、電気の使用は限られており、洗濯機はありません。
脱水は、昔ながらの手回しローラーで洗濯物を絞ります。
乾燥室は、すごく強力で、2時間ほどでだいだい洗濯物は乾きます。
このため、トレッキング中の着替えは、ロッジで着るものだけで済むのです。
翌朝、ポンポローナ・ロッジを出発。
出発前、うるさく言われたのは、リュックの一番上の小物入れに、昼食のサンドイッチを入れないこと。
ちょっと目を離したすきに、キーアがファスナーを開けて、持っていってしまうそうです。
全く、油断できない鳥です。
この日は、マッキノン・パスという1073mの峠を越えます。
ミルフォード・トラックでは、最もアップダウンの大きい行程で、所要時間は7時間くらいです。
お天気は、曇り。
ちょっと、小雨がぱらついてきました・・・・
しばらく歩くと、雨は本降りになってきました。
たいした雨にはならないだろうと思い、レインスーツは着ずに、そのまま歩きました。
道は、だんだん登り坂がきつくなってきました。
ありました!マウントクック・リリーです!
風雨が強いにもかかわらず、元気に咲いています。
直径7、8cmくらいの、大きな花です。
雨で心配だったのは、カメラのこと。
初日に、わずかな水滴で止まってしまったものですから、気が気ではありません。
ポリ袋を上からかぶせ、水が入らないようにして、歩きました。
それでも、写真を撮りたくなったら、出さなければならないので、心配・・・・
そこをなんとか撮るのが、写真好き。
雨のほうが、森はきれいです。
ミルフォード・トラックの特徴は、全体の景色だけでなく、小さいディティールがすばらしいこと。
コケやシダのちょっとした表情が、とってもきれいなんです。
このころは、まだまだディティール写真は難しすぎましたが・・・・
でも、いい練習になったと思います。
これは、お気に入りの一枚。
年賀状の写真になりました。
必死で登って、マッキノン・パスに到着・・・・
でも、暴風雨で、あたりは真っ白・・・・
眺めどころか、全く何も見えません。
ゆきうさぎたちは、ほうほうのていで、山小屋にたどりつきました。
ヤッケの防水が不十分だったので、もう、ずぶぬれです。
この時期はまだ初夏なので、すごく寒かった・・・・
昼食のサンドイッチを食べながら、雨が小降りになることを祈りました。
でも、全然その様子はありません。
仕方なく、また暴風雨の中を、降りることにしました。
降りるルートは、通常のとは違う道を通るよう、ガイドから指示されました。
通常のルートは、崖崩れの危険があったのです。
ゆきうさぎたちが通った道は、すごく急な下り坂!
45度近い斜面です。
ただでさえ、下りが苦手なゆきうさぎは、座っては降り、座っては降り・・・・
とってもこわかったのですが、暴風雨の中、そんなことは言っていられません。
・・・・なんとか、クインティン・ロッジに到着しました。
本当に、大変だった・・・・
これを耐えられたから、なんでも耐えられる、と思いました。
そのあと、余力のあった人は、サザーランド滝を見に行きましたが、ゆきうさぎは、パス。
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